吉村誠ブログ「いとをかし」

元朝日放送プロデューサーで元宝塚芸術大学教授の吉村が、いろいろ書きます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

台風19号の情報をテレビは事前にどれだけ伝えたか

大きな被害をもたらした台風19号。 今夜16日(水)も、民放の各テレビでは11時台のニュースで、その被害状況を伝えている。 しかし、その報道姿勢は果たして「公器」として適正なものだろうか。 そんな疑問を抱いていたところ、メディア・コンサルタン…

NHK朝ドラ『なつぞら』が終わって

昨日、9月28日(土)、NHK朝ドラの『なつぞら』の最終回が放送されました。 記念すべき、朝ドラ第100作目、という触れ込みもあって放送中から色んな評価が飛び交いました。 さて、僕はテレビの業界で制作者として35年働いてきた立位置から、この『なつぞら』…

「お笑い芸人」の言語力

吉本興業に所属するお笑い芸人の、宮迫博之さんと田村亮さんらの「闇営業」をめぐる問題と、それに続く記者会見についての報道が続いています。 一連の報道を見ていて、『お笑い芸人の言語学』を書いた僕の立ち位置からの考えを述べます。 それは、報道が拡…

近頃の女子大生ことば

「せんせぇー、最近、タピってますぅ?」 ――は、はぁ、なんて、何のこと?――キョトンとしてる私に、 「今日、めっちゃ暑いんで、みんなでタピりに行ってきま~す。授業、ちょい休み」 ――楽しそうに、しゃべりながら歩いてゆく女子大生たち。 女子大で教えて…

新装「NEWS23」を論じる―正統派の「アンカーウーマン」を目指す小川彩佳を高く評価します!

小川彩佳をキャスターに迎えた新生『NEWS23』がスタートしてひと月。 視聴率的には、5月以前とそれほど変化はありませんが、内容的にはずいぶん変化しています。 その変化を、「日本のテレビニュースの作り方」という構造的な視点と、「キャスターのことば…

「日本のテレビ報道」の歪みをチェックする

大学で「マスコミ論」を講義しています。 日々の新聞やテレビニュースを題材にして、その「ニュース表現」に込められた「表現者の意図」を読み取る力を身に付けよう、という授業です。 読み取る入口となるのは、「表現」を成している「ことば」と「映像」で…

ある大阪人から見た「大阪ダブル選挙の結果」の読み方

東京に住んでいる友人からメールが入りました。 「大阪のダブル選挙の結果がよくわからない。 なぜ大阪維新の会は、大阪都構想にこだわるのか、関東の私には理解不可能です。 W選で勝っても民意を問えば負けてしまうのに。 なにか関西独特の政治思想があるの…

期末期首の特別ドラマ――『ひよっこ2』と『僕が笑うと』

3月半ばから4月半ば、にかけて、テレビは「期末・期首編成」と称してゴールデン・プライムタイムに単発の特番を並べたてます。昔は、せいぜい4月の番組改編をはさんで前後1週間ずつくらいだったのですが、今ではおよそひと月間にわたっているので、いったい…

2019冬ドラマから見える、テレビ制作者の「表現者の志」

今年の冬ドラマが、第4話~第5話を終えたところで、私なりの作品評をしてみます。 作り手としての「裏事情」をも読み取りながら、です。 そこから、サラリーマンでありながらも「テレビドラマ」という「表現作品」に取り組んでいるテレビマン達の「表現者と…