吉村誠ブログ「いとをかし」

元朝日放送プロデューサーで元宝塚芸術大学教授の吉村が、いろいろ書きます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

M-1審査員コメントの読み解き方と炎上への感想

大学で「マスコミニュケーション論」なる授業をやっています。 講義の核にしているのは、「表現」の背後にある「表現発信者」の気持ちや意図を読み解く、ということです。 で、学生たちの間でも「M-1」が話題となっており、先週も何人かの学生から「M-1審査…

審査員に求める「言語化」能力――M-1感想へのコメントに答えて

様々なコメントを頂きました。 お礼と捕捉の意味を込めて、このブログを更新します。 なるほどなぁ、そういう受け止め方も確かにあるな、と思いつつ皆さんのコメントをじっくりと読ませていただきました。 もちろん、芸能であれ、文章であれ、「表現」は受け…

うーん? 優勝は「和牛」でしょう!――「お笑い」と「ことば」

今年も、笑いながら、拍手しながら、ヒヤヒヤしながら「M-1グランプリ」を見ました。 自分が立ち上げに関わったテレビ番組が大きく育って、今や、押しも押されぬ「漫才界の頂点」を競うビッグな番組になったことは、とても嬉しいことです。 テレビの画面…

NTV「ニュースZERO」の有働由美子さん

日本テレビの夜11時台のニュース「ニュースZERO」が、元NHKアナの有働由美子さんを起用して、この秋編成の大きな話題になっています。 しかし、残念ながら今日までのところ、「新生・ニュースZERO」はまったくの期待外れ!です。 headlines.yahoo.co.jp この…

『響-HIBIKI-』が予想外におもしろかった

今日は目下公開中の新作『響-HIBIKI-』の、僕なりの感想です。 この映画、僕には「表現作品」と「表現者」の関係性について、また、「表現作品の質」と「商業性」の関係性について、という、結構「表現行為の本質」に迫る問題意識をはらんだ、意欲的な作品だ…

今問われる「弁護士の倫理」―日本ボクシング連盟、日本大学の問題

日大アメフト部の問題から、今度は日本ボクシング連盟の問題へと、週刊誌とワイドショーの話題はつきないですね。 二つの問題を通して、実は大きく問われているのが「弁護士の倫理」だ、ということを言いたい、と僕は思うのです。 弁護士の倫理とは 僕が刑事…

『Mrサンデー』西日本豪雨の報道―日本のテレビマンの倫理意識の堕落

大学の前期授業の終わりにあたって、女子大生たちの「近頃、気になったニュース報道」として、 「西日本豪雨の際の、『Mrサンデー』の水没する車」のことを初めて知りました。 大学で「マスコミュニケーション論」を教えている立場として、日々のデイリーの…

オウム事件とマスコミの報道責任について―今、もう一度、自己批判が必要ではないのか

今日、7月6日(金)に、麻原彰晃こと松本智津夫らオウム真理教の元幹部7人の死刑が執行されたことが大きなニュースとして、新聞やテレビで報じられた。 それらの報道は、概して「この事件を風化させてはならない」とか、「二度とこのような事件を起こしてはい…

気持ちを落ち着かせるべく『68歳の新入社員』を見ました。

昨日18日に大阪では震度6という大きな地震があって、大変な一日でした。 死傷者を知らせるアナウンサーのことばを聞き、火災の映像や噴き出す水の映像を見ながら、なんとも言えない気持ちでした。 それは、私が、1995年1月17日に起きた「阪神淡路大震災」の…

日大学長はなぜ真相究明に乗り気でないのか

学長の資格なし 日本大学の大塚吉兵衛学長の記者会見をニュースで見ました。 誰が見てもわかるように、内容空疎で、世間体をとりつくろう為にとりあえず格好をつけました、という記者会見でした。 これが、日本で最大の規模を誇る私立大学の学長か、と唖然と…

日大アメフト部の監督・コーチの記者会見、について

日大アメフト部の悪質タックル問題については、新聞やテレビやネット上で既に多くの人が発言をしていますが、現在大学の教壇に立つ者の一人として、私は大変な怒りを感じており、このブログで私の考えを述べます。 結論を先に言うと、日大アメフト部の内田監…

朝ドラ『半分、青い。』に、すっかりはまってもうたわ!

今期の、NHK朝ドラ『半分、青い。』岐阜篇に、はまってまいました。 いいです、いいです、ホントに素敵です。 4月の後半が、なんだかんだと忙しかったので、溜まっていたドラマをGWにまとめて見たんですが、『半分、青い。』で泣かされました。 そして、何…

大阪人は、「文字の言葉」にも笑いのセンスが溢れてますわ!

いそがしさにかまけて、ブログ書くのを怠ってましたら、何人かの方から、「倒れてるんちゃうか?」とか、「生きてるか?」との、お気づかいをいただきました、ありがとうございました。 大学の新学期が始まったのと、次に出そうと思っている本の原稿書きに追…

ええ演出してはりますわぁ!――『99.9 刑事専門弁護士』

テレビドラマの、「日曜劇場」『99.9 刑事専門弁護士 SEASONⅡ最終回』についてです。 www.tbs.co.jp リアルタイムでOAを見れなかったので、録画したものを3日遅れで見ました。 これは、上手い!です。 演出が抜群にうまい!です。 木村ひさし氏の演…

ハリウッド映画と日本のテレビドラマを、比べてはいけないけど

先週、アメリカのアカデミー賞が発表され、日本人として初めて辻一弘さんがメーキャップ賞を受賞したことが大きく報道されました。拍手!拍手!です。 で、その映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』。 www.churchill-movie.jp チャ…

ドラマ『天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~』が良かった!

いやぁ、何となく良さそうな予感がして、金曜日はドラマをリアルタイムで見たのです。 ytv・大阪よみうりテレビの60周年スペシャルドラマ『天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~』 良かった!です。 民放でも、これくらいのドラマが作れるんだ!…

NHK朝ドラ『わろてんか』を、業界人的に楽しんでます!

NHKの朝ドラ『わろてんか』が、終盤にさしかかり、やっと「女興業師・北村てん」の話になってきました。 で、登場する芸人たちが「笑芸・現代史」につながってき始めたので、僕は少し変わった楽しみ方でこの頃ずっと見ています。それは、『わろてんか』に出…

圧巻の演技と演出――NHK「西郷どん」渡辺謙vs鹿賀丈史――ドラマのリアリティ

大学の前期授業終わり、なんだかんだで、twitterの更新も「いとをかし」ブログの更新も滞ってしまいました。「インフルエンザで倒れてるんちゃうかぁ」とメールで安否を気遣って下さった方々、ありがとうございました。誠さんは元気です。 真剣に見てるドラ…

それ違うんじゃないの?――新聞の小説評について

さて、少ししつこいようですが、芥川賞受賞作『あらおらでひとりいぐも』を巡る言説の中でどうしても見逃すことのできないのが新聞記者の論評です。 多くの新聞が、この小説を「老境を生きるための小説」だとか、著者を「こども時代の夢を叶えた人」だとか評…

芥川賞発表と、今期のテレビドラマの「ことば」

昨日、第157回芥川賞が発表されました。吉村がイチ押ししていた『おらおらでひとりいぐも』が見事受賞。よかったですねぇ、若竹千佐子さん、おめでとうございます。 方言は好き?嫌い? で、「63歳の新人」と言うことで、早速テレビメディアでは大きく扱って…

近畿大学の新年広告――今年も笑わせてくれました!

お正月の新聞紙面には、 今年これから話題になりそうなことが先取りして盛られています。 2018年と言えば、『ピョンチャン・オリンピック』に、『 藤井・羽生フィーバーの将棋界』に、『NHK大河ドラマ・ 西郷どん(せごどん)』などなど。 写真やインタビュ…