吉村誠ブログ「いとをかし」

元朝日放送プロデューサーで元宝塚芸術大学教授の吉村が、いろいろ書きます。

文学

『響-HIBIKI-』が予想外におもしろかった

今日は目下公開中の新作『響-HIBIKI-』の、僕なりの感想です。 この映画、僕には「表現作品」と「表現者」の関係性について、また、「表現作品の質」と「商業性」の関係性について、という、結構「表現行為の本質」に迫る問題意識をはらんだ、意欲的な作品だ…

気持ちを落ち着かせるべく『68歳の新入社員』を見ました。

昨日18日に大阪では震度6という大きな地震があって、大変な一日でした。 死傷者を知らせるアナウンサーのことばを聞き、火災の映像や噴き出す水の映像を見ながら、なんとも言えない気持ちでした。 それは、私が、1995年1月17日に起きた「阪神淡路大震災」の…

それ違うんじゃないの?――新聞の小説評について

さて、少ししつこいようですが、芥川賞受賞作『あらおらでひとりいぐも』を巡る言説の中でどうしても見逃すことのできないのが新聞記者の論評です。 多くの新聞が、この小説を「老境を生きるための小説」だとか、著者を「こども時代の夢を叶えた人」だとか評…

芥川賞発表と、今期のテレビドラマの「ことば」

昨日、第157回芥川賞が発表されました。吉村がイチ押ししていた『おらおらでひとりいぐも』が見事受賞。よかったですねぇ、若竹千佐子さん、おめでとうございます。 方言は好き?嫌い? で、「63歳の新人」と言うことで、早速テレビメディアでは大きく扱って…

今こそ読まれるべき小説、「ことばと生活」を巡って

吉村の第158回芥川賞はこれ! 芥川賞の候補作の中に『おらおらでひとりいぐも』という小説が入っていたので、気になって読みました。 で、で、で、です。 素晴らしい!です。 小説という形式で、こんなに見事に「ことばと人生」のありようをつづった文章に久…