吉村誠ブログ「いとをかし」

元朝日放送プロデューサーで元宝塚芸術大学教授の吉村が、いろいろ書きます。

報道

【報道記者の言語学】森喜朗記者会見で見えた日本のマスコミ記者の不甲斐なさ

2月4日(木)の午後2時から行われた、森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の発言撤回記者会見をリアルタイムで見た。 「報道記者」と呼べるのは、TBSラジオ・沢田記者だけだった。 彼以外は、残念ながら「腑抜け記者たち」としか言いよ…

「コロナ政治」の言語学――政治家のことば

豊かな「ことば」とは何か? 加藤厚労相の「ことば」の誤解 現代日本の政治家の「ことば」 「しゃべる」と「読む」の違い 「知識の言葉」ではなく「暮らしのことば」で 豊かな「ことば」とは何か? 「自分の言いたいことがはっきり言え、また自分の心のすみ…

台風19号の情報をテレビは事前にどれだけ伝えたか

大きな被害をもたらした台風19号。 今夜16日(水)も、民放の各テレビでは11時台のニュースで、その被害状況を伝えている。 しかし、その報道姿勢は果たして「公器」として適正なものだろうか。 そんな疑問を抱いていたところ、メディア・コンサルタン…

「お笑い芸人」の言語力

吉本興業に所属するお笑い芸人の、宮迫博之さんと田村亮さんらの「闇営業」をめぐる問題と、それに続く記者会見についての報道が続いています。 一連の報道を見ていて、『お笑い芸人の言語学』を書いた僕の立ち位置からの考えを述べます。 それは、報道が拡…

新装「NEWS23」を論じる―正統派の「アンカーウーマン」を目指す小川彩佳を高く評価します!

小川彩佳をキャスターに迎えた新生『NEWS23』がスタートしてひと月。 視聴率的には、5月以前とそれほど変化はありませんが、内容的にはずいぶん変化しています。 その変化を、「日本のテレビニュースの作り方」という構造的な視点と、「キャスターのことば…

「日本のテレビ報道」の歪みをチェックする

大学で「マスコミ論」を講義しています。 日々の新聞やテレビニュースを題材にして、その「ニュース表現」に込められた「表現者の意図」を読み取る力を身に付けよう、という授業です。 読み取る入口となるのは、「表現」を成している「ことば」と「映像」で…

ある大阪人から見た「大阪ダブル選挙の結果」の読み方

東京に住んでいる友人からメールが入りました。 「大阪のダブル選挙の結果がよくわからない。 なぜ大阪維新の会は、大阪都構想にこだわるのか、関東の私には理解不可能です。 W選で勝っても民意を問えば負けてしまうのに。 なにか関西独特の政治思想があるの…

NTV「ニュースZERO」の有働由美子さん

日本テレビの夜11時台のニュース「ニュースZERO」が、元NHKアナの有働由美子さんを起用して、この秋編成の大きな話題になっています。 しかし、残念ながら今日までのところ、「新生・ニュースZERO」はまったくの期待外れ!です。 headlines.yahoo.co.jp この…

『Mrサンデー』西日本豪雨の報道―日本のテレビマンの倫理意識の堕落

大学の前期授業の終わりにあたって、女子大生たちの「近頃、気になったニュース報道」として、 「西日本豪雨の際の、『Mrサンデー』の水没する車」のことを初めて知りました。 大学で「マスコミュニケーション論」を教えている立場として、日々のデイリーの…

オウム事件とマスコミの報道責任について―今、もう一度、自己批判が必要ではないのか

今日、7月6日(金)に、麻原彰晃こと松本智津夫らオウム真理教の元幹部7人の死刑が執行されたことが大きなニュースとして、新聞やテレビで報じられた。 それらの報道は、概して「この事件を風化させてはならない」とか、「二度とこのような事件を起こしてはい…

日大学長はなぜ真相究明に乗り気でないのか

学長の資格なし 日本大学の大塚吉兵衛学長の記者会見をニュースで見ました。 誰が見てもわかるように、内容空疎で、世間体をとりつくろう為にとりあえず格好をつけました、という記者会見でした。 これが、日本で最大の規模を誇る私立大学の学長か、と唖然と…

日大アメフト部の監督・コーチの記者会見、について

日大アメフト部の悪質タックル問題については、新聞やテレビやネット上で既に多くの人が発言をしていますが、現在大学の教壇に立つ者の一人として、私は大変な怒りを感じており、このブログで私の考えを述べます。 結論を先に言うと、日大アメフト部の内田監…

ドラマ『天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~』が良かった!

いやぁ、何となく良さそうな予感がして、金曜日はドラマをリアルタイムで見たのです。 ytv・大阪よみうりテレビの60周年スペシャルドラマ『天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~』 良かった!です。 民放でも、これくらいのドラマが作れるんだ!…

それ違うんじゃないの?――新聞の小説評について

さて、少ししつこいようですが、芥川賞受賞作『あらおらでひとりいぐも』を巡る言説の中でどうしても見逃すことのできないのが新聞記者の論評です。 多くの新聞が、この小説を「老境を生きるための小説」だとか、著者を「こども時代の夢を叶えた人」だとか評…

近畿大学の新年広告――今年も笑わせてくれました!

お正月の新聞紙面には、 今年これから話題になりそうなことが先取りして盛られています。 2018年と言えば、『ピョンチャン・オリンピック』に、『 藤井・羽生フィーバーの将棋界』に、『NHK大河ドラマ・ 西郷どん(せごどん)』などなど。 写真やインタビュ…

M-1補足と、朝日放送スキャンダル

「M-1グランプリ」の余波が、まだ色んなところで続いていますね。 僕も、創設プロデューサーとして、前回のブログで今年の「M-1」について思うところを書いたのですが、その後、教えている大学生たちからたくさんの質問を受けました。 で、その応答の中から…

「どの口が言うとんねん」――テレビ出演者の精神的堕落

前回のブログで、NHK「クローズアップ現代+」のディレクターさんを始めとするテレビ制作者たちの精神的堕落について書いたのですが、今回はテレビの出演者の精神的堕落について書くことにします。 週刊文春12月7日号に載った「宮根誠司・隠し子の母激白」と…